【専門家が解説】アレルギー症状は「家」が原因かも?住まいの対策方法を紹介
2025.8.6
アレルギー対策

長引く咳や喘息、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状、それは今住んでいるお家が大きく関係している可能性があります。
本記事では、家・部屋の室内環境が引き起こすアレルギー症状の原因や仕組みの理解を深め、根本的な改善をしたいと考える方に向けて、アレルギー対策を解説しています。
【この記事で分かること】
- アレルギーとは何か
- 家とアレルギー症状の関係性
- 家に潜むアレルゲン
- 家のアレルギー対策
- 家のアレルギーチェック箇所
アレルギーやお家のことに詳しく無い方でも理解できるように、専門的な内容もできる限り噛み砕きながら説明し、読み終わればすぐにでも家のアレルギー対策が実践できる内容にしていますので、ぜひお読みいただけると嬉しいです。
アレルギー症状が治まらない、根本的な原因は家にあるかもしれません
「子どもの咳がとまらない、長引いている」
「寝ている時、皮膚のかゆみを我慢できずに掻きむしってしまう」
その度に病院へ行って薬を処方してもらい、一旦は落ち着くけれど、少し経つとまた同じような症状が起こっていませんか?繰り返して発症している場合、薬は一時的な処置に過ぎず、根本的な原因は他にある可能性が大きいと考えられます。
家の空気の質は私たちの身体に大きな影響を及ぼします。
住環境を専門に研究されている大学教授の記事にも、こんな記載があります。
1回の呼吸で0.5Lの空気を吸い込み、4秒で1回呼吸をするとして計算すると、1日で10,800Lになります。重さに換算すると、約13kgです。食物や水の汚染と同様、空気の汚染も私たちの健康に大きく影響します。また、私たちは1日の90%を室内で過ごすといわれていますので、室内空気汚染の健康影響は大気汚染よりも重要です 。
引用元:室内空気と健康影響 / 筑波経済月報 2018年3月号
お恥ずかしい話ですが、私(和田隆之)の娘は、当時住んでいた家が原因で喘息を患いました。当時取り組んだこと、得られた変化、そんな経験から気づいたことを綴っています。良ければ併せてお読みください。
アレルギーというと、食べ物や薬などが思い浮かびますが、家の中にもアレルギー症状を引き起こすアレルゲンが潜んでいます。
まずは、前提としてアレルギーとは何かを理解したうえで、家とアレルギーの関係性について詳しく解説していきます。
アレルギーとは何か
アレルギーとアレルゲン
アレルギーとは、体の免疫システムが、本来は体に害のない特定の物質(アレルゲン)に対して過剰に反応してしまう状態のこと。
私たちの体には「免疫」という、病原体や体にとって有害なものから体を守る機能があります。普段は、細菌やウイルスなどの異物から私たちを守ってくれているのですが、遺伝や環境、免疫バランスの乱れ、などいくつかの要因が組み合わさって過剰に反応してしまうことがあります。すると、多くの人にとってはなんでもないものが、アレルギーを持つ人にとっては「危険なもの」だと誤って認識されてしまうのです。

アレルギー症状が起こる仕組み
体の免疫システムが「危険だ!」と判断すると、過剰に反応し、それらを排除しようとして、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、皮膚のかゆみ、じんましん、咳、ひどい場合は呼吸困難など、様々な症状を引き起こします。これがアレルギー症状です。
主なアレルギー症状の種類
アレルギー症状は多岐にわたり、原因となるアレルゲンや発症する部位によって様々な形で現れます。主なアレルギー症状の種類を以下にまとめます。
部位 | 症状 |
---|---|
呼吸器 | 気管支喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症含む)、のどの違和感、かゆみなど |
皮膚 | アトピー性皮膚炎、じんましん、赤み、湿疹、むくみなど |
目、 粘膜 | アレルギー性結膜炎、まぶたや唇の腫れ、舌の違和感 |
消化器 | 食物アレルギー、口唇アレルギー症候群 |
全身 | アナフィラキシー、皮膚症状や呼吸器症状、消化器症状、循環器症状などの複数の臓器にわたって重篤な症状が同時に現れる命に関わる可能性のある全身性アレルギー反応。 |
アレルゲンの侵入経路
アレルギー症状は、アレルゲン物質(アレルギー反応を引き起こす原因となる特定の物質)に触れることで引き起こされます。
アレルゲン物質が体内へ侵入する経路は、大きく分けて3つあります。
経口(食べる・飲む)

侵入経路 | 口、食道、胃、小腸などの消化器系 | |
アレルゲン | 食物 | 卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツ、甲殻類(エビ・カニ)、果物、魚介類など |
薬剤 | 特定の抗生物質など | |
引き起こされるアレルギー | 食物アレルギー(じんましん、腹痛、嘔吐、呼吸困難など)、口腔アレルギー症候群など |
経皮(皮膚に触れる)

侵入経路 | 皮膚。特に、皮膚のバリア機能が低下している状態(乾燥肌、湿疹、傷など) | |
アレルゲン | 金属 | ニッケル、コバルト、クロムなど(アクセサリー、ベルトのバックルなど) |
植物 | ウルシ、ゴム(ラテックス)など | |
化学物質 | 化粧品、毛染め、洗剤、塗り薬など | |
食物 | 食物アレルゲンが皮膚に付着することでもアレルギーが引き起こされることも(例:卵を触って手がかぶれる) | |
引き起こされるアレルギー | 接触皮膚炎(かぶれ)、アトピー性皮膚炎の悪化など |
吸入(空気と一緒に吸い込む)

侵入経路 | 鼻、口、気管支、肺などの呼吸器系。 | |
アレルゲン | 花粉 | スギ、ヒノキ、イネ科、ブタクサなど |
ハウスダスト | ダニの死骸やフン、ペットの毛やフケ、カビ、ホコリなど | |
引き起こされるアレルギー | 花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支ぜんそくなど |
家の室内環境が原因で引き起こされるアレルギー症状は、「吸入」の呼吸器系からの侵入が多いと考えられます。では、家の中に発生するアレルゲンを詳しく見ていきましょう。
家の中に潜むアレルゲンとその対策
ハウスダスト

ハウスダストは、家の中にたまる1mm以下の小さなホコリやチリの総称です。
ダニやカビ、花粉、繊維くず、人のフケや髪の毛、ペットの毛、昆虫の死骸やフン、など様々なものが混ざり合っています。
非常に軽いため空気中に舞い上がりやすく、アレルギー性鼻炎、喘息、皮膚炎などの原因となることがあります。
ここからは、ハウスダストに含まれる主なものを解説・対策ポイントをお伝えしていきます。
カビ

カビがアレルギーを引き起こす主な原因は、カビが環境中に放出する胞子と、カビの体そのものに含まれるタンパク質。それらが私たちのアレルギー反応を誘発する「アレルゲン」となります。
カビの発生~人間がアレルギー症状を発症するまでの流れは以下の通りです。
1.カビの胞子の吸入 | カビは増殖する際、非常に小さく軽い胞子を大量に空気中に放出します。 これらの胞子は、私たちが呼吸する際に鼻や口から吸い込まれ、気管支や肺に到達します。 |

2.免疫系の過剰反応 | 本来、人間の体には異物から身を守る免疫システムが備わっています。しかし、アレルギー体質の人の場合、この免疫システムがカビの胞子を「有害なもの」と誤って認識してしまいます。 |

3.IgE抗体の生成 | 免疫システムは、カビの胞子(アレルゲン)に対抗するために「IgE抗体」という特殊な抗体を生成します。このIgE抗体は、体内のマスト細胞と呼ばれる細胞の表面に結合します。 |

4.ヒスタミンの放出 | 次にカビの胞子を吸い込んだ際、マスト細胞に結合していたIgE抗体がアレルゲンと結合。この結合が引き金となり、マスト細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が大量に放出されます。 |

5.アレルギー症状の発現 | ヒスタミンは、血管を拡張させたり、神経を刺激したりする作用があります。これにより、鼻水、くしゃみ、鼻づまり(アレルギー性鼻炎)、目のかゆみ、充血(アレルギー性結膜炎)、咳、息苦しさ(気管支喘息)、皮膚のかゆみや発疹(アトピー性皮膚炎の悪化)といった様々なアレルギー症状が引き起こされるのです。 |
つまり、カビ自体が毒であるというよりは、カビの成分(特に胞子)に対して、体が過剰に反応してしまうことがアレルギーの原因となります。
カビの種類と家の中で発生しやすい場所
カビには非常に多くの種類がありますが、私たちの日常生活でよく見かける代表的なカビは主に色によって分類されることが多いです。
1.黒カビ

見た目の特徴 | 黒い斑点状で、根を張るため、一度発生すると落ちにくい。 |
家の発生場所 | 【湿気多い&湿度低い所】 ・浴室のタイル目地やゴムパッキン、窓枠、エアコンの吹き出し口 【空気の流れが滞る所】 ・押し入れの奥、家具の裏側、天井裏、床下空間 |
健康への影響 | 咳、のどのイガイガや痛み、鼻水、喘息の悪化、息苦しさ、アレルギー症状の誘発や悪化、だるさや疲労感、頭痛など |
2.青カビ

見た目の特徴 | 青緑色の粉状の集落(パン、餅、みかんなどの食品によく生える) |
家の発生場所 | 【暗くて湿度が高い所】 ・キッチンやバスルーム、地下室など 【換気が不十分な所】 ・押入れや畳、衣類など |
健康への影響 | 咳、のどのイガイガや痛み、鼻水、喘息の悪化、息苦しさ、などのアレルギー反応や呼吸器系の問題、免疫系の弱体化。 青カビの一種であるアフラトキシンは、肝臓がんのリスクを高めると言われています。(参照元:肝がんの原因・症状について / 国立がん研究センター) |
3.白カビ

見た目の特徴 | 白色・無色透明で、ホコリや綿ボコリのようにふわふわしている。他のカビよりも目立ちにくい。 |
家の発生場所 | 【湿度が高い所】 浴室、キッチン、窓周り。湿気がたまった木製の家具や、湿気を帯びた布団やカーペット 【空気の流れが悪い場所】 押し入れなど、家具の裏、押入れ、クローゼット、物置。 |
健康への影響 | くしゃみ、鼻水、咳、目のかゆみ、皮膚の発疹などのアレルギーや症状。喘息、鼻炎、アトピー性皮膚炎など。咳、喘鳴(ぜんめい)、呼吸困難などの原因にも。 |
4.赤カビ
一般的に赤カビと呼ばれるのは、下記の写真(浴室)に写っているピンク色のヌメリ。ただ、これは厳密にはカビではなく「ロドトルラ」という酵母菌の一種です。

見た目の特徴 | ピンク色のヌメリ。比較的すぐに除去しやすい。 |
家の発生場所 | 浴室の排水溝や洗面所など |
健康への影響 | くしゃみ、鼻水、目の痒み、咳などのアレルギー症状、呼吸器系の感染症。放置すると黒カビの増殖を促し、アレルギー症状の原因に。 |
これらのカビは、それぞれ好む環境(温度や湿度、栄養源)が少しずつ異なりますが、基本的に「高温」「多湿」「栄養源」の条件が揃うと増殖します。
家の中のカビ対策ポイント
お家の中のカビ対策のポイントを2つご紹介します。
①お風呂場のカビの発生を防ぐ
箇所 | ポイント | 具体的な方法 |
---|---|---|
浴室 | 換気扇の使用法 | 入浴後は、 ①お風呂の窓と入口を閉め切る ②最低朝まで約7~8時間換気扇を稼働 (窓と入口を開けたままにすると、湿気を含む空気は重いため、軽い空気が流入し、重い空気が排出されません) 注意※脱衣場に換気扇がある場合は同時に稼働させないこと(隣接箇所同士、負圧が掛かり効果が下がります) |

②収納スペースのカビの発生を防ぐ
箇所 | ポイント | 具体的な方法 |
---|---|---|
収納スペース(特に北側) | ・空気を滞留させない ・結露の発生を防ぎ、カビの発生を防ぐ | ①収納物をスノコで浮かし空気の滞留を緩和する ②収納物と壁とに少しでも空気が流れる様隙間を設ける ③定期的に収納物の出し入れを行う ④サーキュレーターで空気を循環させる ⑤除湿器を活用する ⑥収納扉を定期的に開放し居室全体の空気を循環しつつ換気を行う |

カビは、シックハウス症候群の原因にも
シックハウス症候群とは、住宅の高気密化や建材・家具などから放出される化学物質、カビ・ダニなどが原因で、頭痛、めまい、目の痛み、のどの刺激、吐き気、皮膚炎といった様々な体調不良を引き起こす状態の総称です。
その環境から離れると症状が改善されるのが特徴です。
お家のカビは健康被害に大きな影響をもたらします
シックハウス症候群について、その原因についてもブログに掲載しております。今のお家に住み始めてから、「もしかして、シックハウス症候群かも?」そう感じている方は、併せてお読みください。
ダニ

ダニや、ダニの死骸やフンが細かい粉末となって体内に侵入すると、喘息、皮膚炎、鼻炎、結膜炎などのアレルギー性疾患を引き起こす可能性があります。
家の中に潜む代表的なダニ(屋内塵性ダニ類)
ダニは、昆虫ではなくクモやサソリの仲間。屋内に生息する種類は屋内塵性ダニ類と総称され、このうちアレルギーの原因となるのはヒョウヒダニ(チリダニ)です。
他にもコナダニ、ツメダニ、イエダニなどが存在しています。
家の中のダニは無くならない?!
残念ながら家の中からダニを完全にゼロにすることは非常に難しいんです。
主な理由は、
①人の生活環境とダニの好む環境が似ている
ダニが好むのは、温度20〜30℃、湿度60〜80%の高温多湿な環境。これは人間が快適に感じる環境とほぼ同じ。人間が快適な空間=ダニにとって居心地の良い環境。
②エサが豊富
ダニのエサは、人のフケ、アカ、髪の毛、食べ物のカス、など。ダニの種類によってはカビもエサとなります。
③外からの持ち込み
外出先から人の衣類や荷物、ペットなどを介して、常に新しいダニが家の中に持ち込まれる可能性が高い。
④隠れやすい場所が多い
畳、カーペット、布団、ソファ、ぬいぐるみなど、繊維が密集していて隠れやすい場所が家の中に多い。
家の中のダニ対策ポイント
家の中のダニは無くならない、だからこそ大切なのは「数を減らすこと」。
ダニの数を減らし、繁殖を抑制することは可能です。
また、ダニの発生は、前項で記載した「カビ」が大きな原因でもあります。カビが発生しやすい高温多湿な環境は、ダニにとっても繁殖しやすい環境。カビが増えるとダニも増えやすくなるという関係があります。そのため、ダニ対策には、カビの発生を抑えることも非常に重要です。
お家の中のダニを減らす対策のポイントを2つご紹介します。
①寝室のダニの数を減らす
起床時のお布団は、最もダニが発生しやすい状態。ひと手間で、ダニの繁殖を防ぎましょう!
箇所 | ポイント | 具体的な方法 |
---|---|---|
寝室 | 起床後のお布団のダニ対策 | ①起床後、掛け布団を敷き布団からはがす ②布団干しラック等で、敷き・掛け布団両方の潜熱を最低30以上放出させる ③敷き布団のみたたむ、掛け布団はそのまま乾かす ④休日や天気がいい日にお布団を天日干し (その場合、取り込んだ後は①と同様のながれ) ⑤ワンシーズンごとに、お布団のクリーニング・丸洗い ★おすすめは、布団のシーツを高密度織りのダニ予防シーツを使うこと |

②リビングのダニの数を減らす
出しっぱなしの布製品(ぬいぐるみ)などに埃が溜まり、湿気を帯びて、カビが発生し、ダニの繁殖に繋がります。
箇所 | ポイント | 具体的な方法 |
---|---|---|
リビング・居間 | 掃除の手間を減らす収納 | ①扉が付いてる隠せる収納を活用(モノに埃が付着するのを防ぐ) ②日々の掃除で埃が溜まりにくい空間を維持する |

花粉

花粉は、特定の植物や樹木、特にそれらの繁殖を助ける花から放出される粉末状の物質。
花粉症の原因となる花粉は、4月の春頃に飛散ピークを迎えるスギやヒノキだけではありません。地域によっても異なりますが、1年中季節ごとにさまざまな植物の花粉が飛散しています。
花粉のアレルギー症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目やのどのかゆみ、咳、皮膚のかゆみ、頭痛、倦怠感、不眠、イライラなどがあります。
屋外から家への侵入経路は?
①人やペットが持ち込む
衣服や髪の毛の付着 | 外出すると、花粉は衣服(特にウールなどの起毛素材)、髪の毛、カバンなどに大量に付着。そのまま家の中に入ると、花粉が室内に。 |
靴の裏 | 地面に落ちた花粉が靴の裏に付き、玄関から室内へ。 |
ペットの毛 | 外に出るペットの毛にも花粉が付着し、室内へ。 |
②外干しの洗濯物や布団から
外に洗濯物や布団を干すと、花粉が付着。そのまま室内に取り込む際に、大量の花粉を一緒に持ち込んでしまいます。特に繊維の奥に入り込んだ花粉は、軽く払っただけでは落ちにくいんです。
③窓や換気口から
窓の開閉時換気のために窓を開けると、外の空気と一緒に花粉が室内に流れ込んできます。特に飛散量が多い時間帯(昼から夕方にかけて)や風の強い日は注意が必要。
住宅に設置されている換気口や換気扇は、外の空気を室内へと取り込みます。花粉対策用のフィルターがない場合、花粉も一緒に取り込んでしまいます。
④家の隙間
目に見えないような小さな隙間からも、花粉は侵入してきます。特に古い家屋や気密性の低い住宅では、この影響が大きくなります。
家の中の花粉対策ポイント
お家に花粉を持ち込まないポイントを2つご紹介します。
箇所 | 具体的な方法 |
---|---|
洗濯物について | ①花粉のシーズン中は外干しNG ②室内干し or 乾燥機を活用 →サニタリールームの拡充、ガス衣類乾燥機など |
部屋の換気について | ①花粉の飛散が多いシーズン中は窓の開放・換気扇はNG。 ②排気と吸気を同時に行う同時吸排換気扇(花粉対策フィルター付き)、特に熱交換型のものを設置 |
ペット(動物)

動物の毛、フケ、唾液、尿などに含まれるタンパク質がアレルゲンとなる場合も。
くしゃみや鼻づまり、咳やかゆみなどがアレルギー症状として現れます。
ペットと暮らす家でのアレルギー対策
①カーペットや布製品の使用を避ける
ペットの毛やフケが溜まりやすい素材は掃除がしにくいことも。常に掃除がしやすい素材のものを取り入れるのがおすすめ。
②空気清浄機の使用
動物アレルギーの原因物質を抑制する効果が認められた空気清浄機もあります。(https://www.daikin-streamer.com/dog-and-cat-allergy/)ただ、空気清浄機の使用は、環境によっては、空気中の塵やホコリが余計に舞ってしまい、アレルギー症状を引き起こしてしまうことも。導入の際はよく検討が必要です。
③壁紙や床素材の工夫
アレルゲンを壁紙表面に加工された抗アレルゲン剤で吸着、抑制することのできる、抗アレルゲン壁紙があります。消臭効果もあり。床は、カーペットや絨毯よりも、フローリングやフロアタイルがおススメ。
④床暖房の導入
冬場の暖房には、床暖房がおススメ。床暖房は温風が出ないので、ペットの毛やほこりが舞いにくく、アレルギー対策に有効です。
⑤換気システムの導入
こまめな換気で室内の空気を入れ替え、空気清浄機で浮遊するアレルゲンを除去することで、アレルギー症状を軽減できます。
家のアレルゲン危険箇所をチェック!
まずは、お家の中での過ごし方、お家の状態をチェックしてみることをおすすめします。
アレルゲンが増えやすい状態になっていないか、ぜひ一度確認してみてください!
箇所 | no | チェック項目 | こんな状態になっているかも?! |
---|---|---|---|
キッチン | 1 | 収納扉を開けると、カビ臭いニオイがする | キッチン内部は収納物の湿気が結露し、埃が溜まり、栄養分が付着し、カビが発生。特に昔の扉式のキッチンは、物の出し入れがしづらく、奥の物を動かさないことで、埃や汚れが蓄積。カビが発生していることで、ニオイが発生している。 |
2 | キッチン付近の壁にぽつぽつ黒い斑点が出てきている | お家の立地(裏山にある、すぐそばに川があるなど)により、キッチンの裏側が結露してしまう可能性がある。その場合は、床や壁の下側が内部結露しやすく、よって表面にカビが発生してくる。 | |
3 | 料理時、料理後以外は、換気扇をOFFにしている | 換気扇は、ニオイを抑える目的だけではなく、室内の空気を循環させる役割も。部屋の空気の流れが滞ると、カビが発生しやすい状態に。 | |
窓 | 4 | 窓枠やゴム部分(ビート)が濡れている | 外と室内の温度差で結露が発生しており、放置するとカビ発生の原因に。 |
5 | ゴム部分(ビート)が黒くなっていて、拭いても取れない | 結露の発生→そこに埃が付着→カビが発生。 この黒カビはゴムの内部から発生しているので、拭いても取れないことが多い。 | |
トイレ | 6 | トイレの扉を開けると、カビ臭いニオイがする | 建物の気密性能が低いと、隙間風や、室内の空気が意図せず外部に漏れたり、外部の空気が室内に入ってきたりする状態が起こります(漏気)。よって、壁の中のカビが、トイレ内の壁の表面に出てきていることも。 |
7 | 奥の隅っこが黒くなっている | ||
8 | 壁の下側にぽつぽつ黒い斑点が出てきている | ||
洗面所 | 9 | 洗面所の扉を開けると、カビ臭いニオイがする | 浴室の蒸気、浴室と洗面所の温度差により、洗面所の収納部分はカビが発生しやすい状態に。 |
10 | 洗濯機、洗面化粧台に面している壁の下側が黒くなっている | 浴室の蒸気、浴室と洗面所の温度差、掃除がしにくいことにより、湿気&埃が溜まりやすくカビが生えやすい状態に。 | |
11 | 洗面脱衣所を使う時以外は、換気扇をOFFにしている | ||
浴室 | 12 | 入浴後、扉や窓を開けて浴室換気扇を使用している | 窓と入口を開けたままにすると、湿気を含む空気は重いため、軽い空気が流入し、重い空気が排出されない。よって空気が滞り、カビが生えやすい状態に。 |
13 | 浴室と脱衣所の換気扇を同時に稼働させている | 脱衣場に換気扇がある場合は、同時に稼働させることで、隣接箇所同士、負圧が掛かり、換気効果が下がってしまいます。 | |
14 | お風呂のお湯を貯めていても、体を洗っている時が非常に寒い | 1990年前後のお風呂は断熱の概念なく、プラスチックの樹脂版1枚のユニットバスが主流。壁側に断熱材が何もないので、入るとすごく寒い。基礎の中から空気が流れているため、体感としてはかなり寒い。温度差が激しいため、より結露が起こりやすく、カビが発生しやすい状態に。 | |
15 | タイル張りのお風呂で、いつもジメジメ&カビ臭いニオイがする | タイル張りのお風呂は、100パーセント壁体内結露しています。ほとんどがカビが生えてしまっている状態。 | |
寝室 | 16 | 起床時、掛け布団をめくって、そのまま元に戻している | 起床後の布団の扱いが重要!ココをおろそかにすると、最もダニが繁殖し易い環境に。ダニの糞や死骸がアレルゲンとなり、喘息の原因に。 |
収納スペース | 17 | 収納扉を開けると、湿気臭い・カビ臭いニオイがする | 物を詰め込む場所がゆえに、詰めっぱなしにしたままで、埃が溜まり、空気が滞留してしまう原因に。よってカビが発生して、ニオイが発生。 |
18 | 一番奥の隅っこが黒くなっている | ||
部屋 | 19 | ぬいぐるみや色んな物が、常に出しっぱなしになっている | 特に布製品は、埃が付着しやすく、湿気を帯びることでカビが発生。リビングの場合、料理を作るときの油が空気にのって、埃に油が付き、固まってしまいます。カビやダニの発生を促進。 |
20 | 巾木の上の壁紙が黒く変色している | 居室と廊下や他居室との間仕切り壁下部にカビが発生する場合が有ります。原因は、漏気による結露。室内にカビが増えてしまう原因に。 | |
外壁 | 21 | 冬場、外壁を確認すると、一部変色していたり、緑色の線がはいっているような箇所がある | 昔の建物は、壁の中に空気を流すという概念がなく、溜まりっぱなしが通常。そうすると、床下から暖かい空気冷たい空気が流れると、壁内は結露が発生。よって、外側の外壁部分に一部藻が生えたりと、緑色に変色するパターンが見られる。 |
エアコン | 22 | お掃除機能付きのエアコンだから、お手入れはしていない | お掃除機能がついているから、中もすべて綺麗になっているわけではありません。エアコンのカバーを開いて、フィンを確認すると真っ黒になっていることも多々。知らずにアレルゲンを含んだ空気を排出してしまうことも。 |
アレルギー対策リフォームなら、ダイワ住研にご相談ください
アレルギーとはなにか、アレルギーとお家の関係について、まとめてきました。
”家が良ければ、暮らしが変わる。暮らしが変われば、人生が変わる”
これは私が実体験で得た確かな思いです。では、良い家とはいったいどんな家なのか。私のたどり着いた答え、それは、「空気のきれいな家」でした。
どうか、ご家族みなさんが健康で、笑顔で過ごせるお家にしてほしいと願います。
情報量が多く、専門用語もたくさん出てきたので、一読して全てを理解するのは難しいでしょう。ぜひ本記事を見返して、お家のチェックリストなど、環境の改善に活用していただけると嬉しいです。
なお、ダイワ住研はお家のお困りごと、修理修繕・リフォーム・新築、全般を承っております。特に、健康に暮らせる家づくりのためのアレルギー対策リフォームを得意としております。
・家で過ごしていると咳やくしゃみが出る
・食事や生活習慣にも気を付けているが、なかなか改善しない
・こまめに掃除をしているが、具体的に何に気を付けたらいいのかわからない
・今の家の状態がどうなのか、わからない
といったお悩みに対して、住まいの専門家として室内環境・建物の状態を見せてもらいながら、原因の究明に努めます。
お家のアレルギー対策にお悩みの方は、ぜひ下記のお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
「一度、家の状態を見てほしい」とお問合せいただければ、まずはお家の原因を調査いたします。
執筆者プロフィール
和田 隆之(わだたかゆき)
株式会社ダイワ住研 代表取締役
45年にわたり約2,500件の工事を手がける。25年前、自宅を建て替えた際に娘がぜんそくを発症。
この経験から、断熱性ばかりを追求した家が必ずしも健康的ではないと気づき、現在は、家族が健康に暮らせる「空気のきれいな家」の重要性を伝え、住環境の改善に尽力している。