リノベーションに向いていない中古住宅とは?
2025.11.26
リノベーション
【最初に確認】リノベに向いていない中古住宅 “10秒チェック”
次の項目に 3つ以上 当てはまる場合は、即決せず「診断で確認」してから判断してください。
□ 床がフワつく/家が傾いて見える
□ 基礎に大きなひび、補修跡がある
□ 天井・壁にシミ(雨漏りの可能性)
□ カビ臭い/結露がひどい
□ 床下が湿っぽい(点検口があれば確認)
□ 冬とにかく寒い・夏暑いと言われている
□ メンテナンス履歴が出てこない
□ 1980年以前で耐震補強の履歴がない
□ 盛土・切土など造成履歴が不明
□ 壁を抜いて大きく間取り変更したい
中古住宅+リノベーションは、滋賀で家づくりを考える多くの人にとって“現実的で賢い選択肢”になっています。
ただし、すべての中古住宅が“リノベ向き”ではありません。
構造・地盤・湿気・築年数・断熱の状態次第では、買った瞬間に大きなリスクを背負う家もあります。
※このチェック項目は、内覧30分では見抜けないものがほとんどです。床下・屋根裏・壁の中で“費用差”が出ます。
| No | チェック項目 | NGサイン(1つでもあれば要注意) | 判断の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 地盤 | 家の傾き/基礎の沈下・大きなひび | 原則「購入前に専門調査」 |
| 2 | 造成履歴 | 盛土・切土不明/古い造成地 | 地盤改良前提で再検討 |
| 3 | 基礎 | 無筋基礎/幅不足/0.3mm超のひび | 補強費が高額化しやすい |
| 4 | 構造材 | 柱・梁の腐朽/白蟻被害 | 構造補修=新築並み費用 |
| 5 | 雨漏り | 天井・壁のシミ/補修跡 | 原因特定できない家は避ける |
| 6 | 湿気・結露 | 床下カビ/壁内結露の痕跡 | 内部劣化が進行している可能性 |
| 7 | 断熱 | 断熱材なし/ズレ落ち | 快適性と寿命に直結 |
| 8 | 築年数 | 1980年以前+補強履歴なし | 耐震・断熱の同時改修必須 |
| 9 | 構造形式 | 2×4・鉄骨で壁撤去前提 | 間取り変更が高難度 |
| 10 | メンテ履歴 | 履歴不明/放置期間が長い | 見えない劣化リスク大 |
✅ 3項目以上該当する場合は「購入自体を再検討」
上の項目は、見た目だけでは判断できないものがほとんどです。購入前に一度、床下・構造・断熱・湿気まで確認できる住宅診断をおススメします。
ここでは、滋賀で45年・約3,800件の工事を手がけてきたダイワ住研のノウハウをもとに、
「買わないほうがよい中古住宅」
「リノベに向いてない家」
を正しく見極める判断基準 をまとめました。
この記事でわかること
・リノベに“向かない”中古住宅の明確な判断基準
・地盤・構造・築年数で見るべきポイント
・木造軸組み/ツーバイフォー/鉄骨の違い
・リノベ後は「何年もつのか?」の実際
・ローン審査でわかる“耐用年数の裏付け”
・ダイワ住研の資格と施工管理力が信頼される理由
まず理解すべき“買ってはいけない中古住宅”の4条件
① 地盤に問題がある家はリノベより先に“安全性”が崩れる
滋賀は湖西・湖北を中心に“軟弱地盤”が多い地域です。
中古住宅でも、地盤調査をせず購入される方がまだまだ多く、実際に次のようなリスクが潜んでいます。
- 不同沈下(家が傾く)
- 基礎にヒビ・沈み・割れがある
- 昔の造成地で土が締まっていない
地盤の弱い土地に建築された「家」の沈下はほぼ止まることはありません。
もともと地盤が弱い家は、「リノベ以前に安全性の確保が最優先」になります。

地盤沈下(不同沈下)(出典:新潟県地質調査業協会)
② 築古で“構造補強が必須”な家は費用が跳ね上がる
築40〜50年で、以下に該当する家は要注意です。
- 柱が腐朽している
- 床下が湿気で劣化
- 白蟻の被害が見られる
- 耐力壁が不足
こうした家はリノベ自体は可能ですが、“本質的には新築同等の工事”になり、
費用対効果が合わないケースも多く、購入をおすすめできない場合もあります。
築年数と構造劣化の関係
| 築年数 | 耐震 | 断熱 | 基礎の状態 | リノベ向き度 |
| 〜1981 | × | × | × | △ |
| 1981〜2000 | ○ | △ | △ | 〇 |
| 2000〜 | ○ | ○ | ○ | ◎ |
③ 雨漏り・結露・湿気が慢性的にある家
滋賀の気候は湿気が多く、結露・カビが進行しやすい環境です。
以下が複数ある家は、壁内の状態が悪化している可能性が高いです。
- 天井・壁のシミ
- 床下が湿気で白カビ
- サッシまわりの腐食
- 夏型結露に伴う劣化の兆候が有り
放置された結露は、柱の寿命を確実に縮めます。
この場合は“診断が最優先”で、場合によっては購入自体を避けるべき物件もあります。
④ 間取り変更がほぼ不可能な構造の家
間取り変更の自由度は、構造によって大きく変わります。
●木造軸組み(在来工法)
- メリット:間取り変更しやすい。部分強度アップも容易。
- デメリット:湿気や結露に弱い家が多い。
●ツーバイフォー(2×4)
- メリット:気密が取りやすく、省エネ・低アレルゲン住宅に向く。断熱性能の底上げもしやすい。
- デメリット:構造壁が多いため、大開口や壁の撤去が難しく、大規模な間取り変更リノベは“高難度”になります。
●鉄骨造
- メリット:広い空間が作りやすい
- デメリット:断熱を間違えると結露が激しくなる
構造は“リノベできる自由度そのもの”を左右します。
中古住宅は“誰が建てたか”でここまで違う
中古住宅を選ぶとき、建物そのもののコンディション以上に大切なのが「誰が建てた家か」。同じ中古物件でも、ハウスメーカーごとに構造、弱点、リノベ向き・向かないポイントが大きく違います。
さらに、建てられた年代によって断熱・気密・結露対策・耐震基準が明確に変わります。
ダイワ住研では、滋賀県内で多数の中古+リノベ物件を調査してきた経験から、主要ハウスメーカーの特徴と年代別の注意点を、独自に社内資料として整理しています。
ハウスメーカー別の特徴
軽量鉄骨系は「軽くて地震に強い」が、昭和期は壁体内結露→錆・腐朽リスクが大きい。
2×4系は気密が高くリノベはしやすいが、壁体内結露と間取り変更の制限がネック。
重量鉄骨やRC系は構造強度は最高だが、断熱・結露・メンテコストが大きく影響します。
それぞれの特徴を表にまとめており、ダイワ住研では、中古住宅の状況を確認する際に、参考にしております。※ハウスメーカーさまの社名については、伏せて紹介させていただきます。
主要ハウスメーカーの“構造×特徴×注意点”
| メーカー | 構造 | 建物の特徴 | リノベ時の注意点 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| A社 | 軽量鉄骨 | 軽くて地震に強い | 壁体内結露による躯体錆(特に浴室周り) | 躯体が軽く沈下が少ない | 昭和期は断熱性能が低い |
| B社 | 軽量鉄骨 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 |
| C社 | 軽量鉄骨 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 |
| D社 | ユニット工法 | 地震に強い | 壁体内結露による錆 | 沈下が少ない | 昭和期は断熱が弱い |
| E社 | 2×4 | 気密が高い | 結露で腐朽。間取り変更が難しい | 沈下しにくい | 昭和期の施工精度にばらつき |
| F社 | 2×4 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 |
| G社 | 2×4 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 |
| H社 | 在来木造 | 施工品質差が大きい | 屋根瓦が重く耐震性に注意 | ― | ― |
| I社 | 在来木造 | 断熱強い時代は後期 | 初期の施工精度に注意 | ― | ― |
| J社 | 重量鉄骨 | 強度が高く資産価値が落ちにくい | 外壁塗装の劣化影響大、間取り変更が難しい | 構造強度が最大 | メンテコストが高い |
| K社 | RC造 | 強度と気密が極めて高い | 結露・温度ムラ・陸屋根の維持費 | 資産価値が落ちにくい | 結露の影響大 |
【ダイワ住研による過去250件以上のハウスメーカーの施工・調査記録から独自に分析】
『築年数で変わる住宅性能の基本』
中古住宅は、築年数によって性能が大きく変わります。
断熱・気密の考え方、結露対策、耐震基準、施工精度の向上などは「ある年を境にガラッと変化」しており、同じ築30年でも、建てられた時代の背景で状態は全く違います。
1970年代は断熱の概念が弱く、冬寒い家が多い。
1981年には新耐震基準が施行され、耐震性が飛躍的に向上。
1990年代は結露対策と施工品質が急改善し、
2000年代には断熱・気密・外壁通気・二重窓など、日本の住宅性能がようやく国際水準に追いついていきます。
つまり、築年数を見るときは「古い=ダメ」ではなく、
“その時代の住宅に何が求められていたか”
を知ることが重要です。
ダイワ住研では、滋賀県内の多数の調査によって、下記のような時代特徴があることを確認してきました。
これを知っておくと、内覧の注意点が一気に明確になります。
1971年以前(昭和40年代まで)の家の特徴
断熱の発想がほとんどなく、「夏は風を通して涼しく、冬は寒いのが当たり前」という時代の家です。
筋交いの量も足りず、地盤調査の習慣もないため、耐震・耐久の基準は現在とはまったく違います。
ただし気密性が低く、常に家が“呼吸している”状態だったため、壁の中で湿気がこもりにくく、結露による腐朽は比較的少ない傾向があります。
1971〜1980年(昭和50年代)の家の特徴
この時期からようやく断熱材(グラスウール50mm)が使われ始めましたが、施工精度が追いつかず、断熱の効果は限定的でした。
壁体内結露という概念はまだなく、湿気がこもってカビ・腐朽が起きやすい構造が多い時代です。
軽量鉄骨住宅も普及し始めましたが、メーカー側の試行錯誤も多く、品質はまだ安定していません。
1981〜1990年(新耐震基準以降)の家の特徴
1981年の新耐震基準施行により、建物の耐震性は大きく向上しました。
一方で、壁体内結露への理解はまだ不十分で、内部は傷んでいるのに見た目は綺麗というギャップが生まれやすい時代です。
外壁サイディングが一気に普及したことで、外観は整っていても、内部結露が進行しているケースが珍しくありません。
1991〜2004年(バブル崩壊以降)
バブル崩壊後は住宅供給量が落ち、施工管理が厳しくなったことで、住宅品質は安定期に入りました。
防湿シートなどの結露対策も普及し、壁内の腐朽トラブルが目に見えて減り始めた時代です。
構造プレカットの普及により、大工の腕の差による品質のバラつきが減ったのも特徴です。
2005年以降
住宅性能が大きく進化した時代です。
断熱・気密の重要性が一般に広まり、外壁通気工法、樹脂サッシ、複層ガラス(二重窓)などが当たり前になりました。
地盤調査や耐震性能も標準化され、中古市場でも「リノベしやすく、性能向上も確実にできる」扱いやすい年代の家が多いのが特徴です。
【滋賀県内の住宅調査実績に基づくダイワ住研の社内資料】
リノベした家は“何年持つのか?”
結論から言えば、
適切な調査と施工を行えば、リノベ後の耐用年数は“新築にかなり近づく”
と考えて問題ありません。
その根拠が2つあります。
① “返済期間=耐用年数の評価”というローン審査の仕組み
住宅ローン(特にリノベローン)は、
“その家が何年持つか” を金融機関が審査 します。
つまり、
・構造
・劣化
・基礎
・断熱
・気密
・雨漏りリスク
これらが一定基準を満たしていない家は、
そもそも長期の返済期間を認めてもらえません。
逆に言えば、
ローンが通る → 第三者が“耐用年数あり”と認めている
という客観的な証明になります。
② フラット35の技術基準で“寿命評価”が可視化される
フラット35は国の基準です。
リノベでも次の項目を厳しくチェックされます。
- 構造の健全性
- 劣化の程度
- 耐震性
- 雨漏りリスク
- 断熱性能
これに合格した中古+リノベは、
“長く住める家”という国家レベルの評価が付く
ということです。
ダイワ住研が選ばれる理由|資格と施工管理力が“安心の裏付け”になる
資格で裏付けられた“買って良い物件かどうか”の判断力
ダイワ住研には以下の3資格が揃っています。
●建築士(設計の専門家)
構造変更・断熱・湿気・耐震の判断が科学的にできる。
●建築施工管理技士(現場品質のプロ)
「断熱材の1㎝の隙間」を見逃さない。
●既存住宅状況調査士(中古住宅診断の国家資格)
“リノベ向きの家か?”を正確に診断できる。
これらが揃うことで、
診断 → 設計 → 施工 → 完成後の性能確認
まで一貫した品質管理が可能になります。
大手ハウスメーカーの業務請負で鍛えられた“品質基準”
長年、大手ハウスメーカーの厳格な施工基準のもとで技術を磨き、
今はその請負を卒業し、地域密着の工務店として活動。
その結果:
- 大手クラスの品質
- 地域工務店の距離感と安心感
- 適正価格で高品質、高性能リノベ
これを現実的に提供できる強みがあります。
築年数別|リノベに向く家・向かない家の早見表
| 築年数 | 特徴 | リノベ適性 | 注意点 |
| 〜1980年 (旧耐震+断熱弱い) | 断熱なし・湿気多い | △ | 構造劣化リスク高 |
| 1981〜2000年 (新耐震だが断熱・気密はまだ弱め) | 断熱不足 | ○ | 気密不足による結露 |
| 2000〜2015年 (性能向上&リノベしやすい) | 基準が向上 | ◎ | 間取り変更しやすい |
| 2015年以降 (省エネ基準アップ・高性能帯) | 省エネ基準UP | ◎ | コストとバランスを確認 |
まとめ|“向かない家”を避ければ、中古+リノベは最高の選択肢になる
滋賀は気候やびわ湖と、流入河川の影響で、
湿気・結露・地盤など住宅のコンディションに差が出やすい地域です。
しかし、
・正しい調査
・正しい施工
・正しい判断
を行えば、中古+リノベは“新築以上の価値”が生まれます。
ダイワ住研は、
診断 → 設計 → 施工 → 気密測定 → 完成後のフォロー
まで一貫して対応できる工務店。
あなたの住まい選びが安全で確実な一歩になるよう、全力でサポートします。
ここまで読んで、
「気になる物件があるけど、決め手がなくて怖い」
と感じた方は正常です。中古は“見えない部分”で差が出ます。
だからこそ、買う前に一度だけ、床下・屋根裏・湿気・断熱材・構造まで確認し、
「買っていい理由/やめる理由」を明確にしてから進むのがいちばん堅いです。
▶ 中古住宅診断(インスペクション)で分かること
中古住宅選びで迷っている方、物件を一緒に見てほしい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
執筆者
和田隆之(わだたかゆき)

株式会社ダイワ住研 代表取締役
1959年生まれ。現在は大津市・堅田に在住。
滋賀県内で住宅建築に携わり、これまでに約3,800件の工事を手がけてきた住まいの専門家。
長年、大手ハウスメーカーの業務請負として施工管理を長年担当。
厳格な品質基準の現場を数多く経験したことで、
「精度の高い施工」「安定した品質管理」という現在のスタイルが築き上げられた。
大手ハウスメーカーの業務請負を“卒業”し、
今は地域のご家族と直接向き合う地域密着型の工務店として、
新築・リノベーション・リフォームの3領域で、住まいの悩みに一貫して対応している。
また、新築した自宅でご本人の娘さんがぜんそくを発症した経験から、
高断熱・高気密 × 計画換気 × 正しい施工管理の重要性を痛感。
以来「空気のきれいな家づくり」をテーマに、
滋賀県の気候風土に合わせた健康住宅・断熱改修を追究している。
「家は、家族が安心して暮らすための“土台そのもの”」という信念のもと、
暮らしの健康と快適さを最優先にした住まいづくりを実践している。





