滋賀で高齢者が安心して暮らすための住まいづくり|冬の寒さ・夏の暑さから考える温熱環境リフォーム
2026.1.19
リノベーション
高齢者のヒートショック(冬)や室内熱中症(夏)は、
年齢の問題ではなく、住まいの温熱環境の問題です。
実際に多い事故の原因は、
「本人が危険に気づくのが遅れること」です。
このページでは、滋賀県(草津市・大津市)の住まいを前提に、
- なぜ家の中で事故が起きるのか
- 冬と夏で何が違い、何が共通しているのか
- 断熱リフォームで何が変えられるのか
- 何から始めればいいのか
を、専門用語を使わずに整理します。
「寒さ」も「暑さ」も危険です|高齢者と住まいの温熱環境
なお、こうした住まいの温度環境と健康リスクについては、
国土交通省が公表している住宅関連ガイドラインでも注意喚起がされています。
冬季の急激な温度差や、夏季の室内高温は、
高齢者の体調悪化や事故につながる可能性があるとされ、
住まい全体の温熱環境を整えることが重要だと示されています。
これは「快適に暮らすため」ではなく、
「事故を防ぐための住環境づくり」という位置づけです。
高齢者の事故で一番の問題は「自覚が遅れること」です
近年の住宅と健康に関する調査では、
室温の変化が大きい住まいほど、血圧の変動や体調不良が起きやすいことが分かってきています。
特に高齢者の場合、
体温調整機能の変化により、
「寒い・暑い」という感覚が実際の身体負担より遅れて現れる傾向があります。
そのため、
本人が「まだ大丈夫」と感じている間に、
体にはすでに無理がかかっている状態になりやすいのです。
高齢になると、
- 寒さ・暑さを感じにくくなる
- のどの渇きを感じにくくなる
- 「まだ大丈夫」と我慢してしまう
という変化が起こります。
これらの変化が重なることで、
本人の感覚と、実際の身体への負担にズレが生じます。
これは体調の問題ではなく、
家の環境が体に合わなくなっているサインです。
冬:ヒートショックは「家の温度差」で起きます
暖かい居間から、寒い廊下や脱衣所へ。
この急激な温度差が血圧を大きく変動させ、
ヒートショックを引き起こします。
持病がなくても、
家のつくりだけで起きる事故です。
夏:熱中症は「家の中」で多く起きています
高齢者の熱中症は、
屋外より自宅内で起きるケースが多くあります。
特に多いのが、
- 2階の寝室
- 風が通らない部屋
- 夜間・就寝中
冬と同じく、
「感じにくい → 対応が遅れる」構造です。
表:高齢者の温熱環境リスク(冬・夏)
| 季節 | 家の中で起きやすい状況 | 主なリスク |
|---|---|---|
| 冬 | 脱衣所・廊下が寒い | ヒートショック |
| 夏 | 2階・寝室に熱がこもる | 室内熱中症 |
| 共通 | 本人は「大丈夫」と感じる | 発見・対応の遅れ |
ここからは、
「なぜ断熱が安全性につながるのか」を、
住まいの視点から整理します。
断熱リフォームで、何がどう変わるのか
ダイワ住研では、これまで滋賀県内で数多くの住まいを見てきました。
和田は現場でよく、
「寒さや暑さを我慢している人ほど、危険に慣れてしまっている」
と感じる場面が多いと言います。
ご本人は「昔からこうだから」と平気そうに話されますが、
実際には、体への負担が少しずつ積み重なっているケースも少なくありません。
だからこそ、
ダイワ住研ではいきなり工事の話をするのではなく、
まず“今の住まいが体に合っているか”を一緒に確認することを大切にしています。
断熱の目的は「快適さ」ではなく「安全性」です
断熱というと、
「暖かい」「涼しい」というイメージがありますが、
本当の目的は家の中の温度差を小さくすることです。
- 冬:寒い場所をなくす
- 夏:熱がこもる場所をつくらない
これが、高齢者の体への負担を減らします。
内窓(二重サッシ)は現実的な第一歩です
大がかりな工事をしなくても、
- 窓からの冷気・熱気を抑える
- 結露を減らす
- 体感温度を安定させる
ことができます。

ハウスメーカーの家でも、寒い・暑いのはなぜか
原因は「会社」ではなく「建てた年代」です
積水ハウス・パナホームなどの住宅でも、
寒さ・暑さの相談は少なくありません。
理由は、
建てられた当時の断熱基準です。
表:住宅の建築年代と温熱環境の傾向
| 建築年代 | 当時の考え方 | 今起きやすい悩み |
|---|---|---|
| 1990年代 | 断熱は最低限 | 冬寒い・夏暑い |
| 2000年代 | 省エネ意識が出始め | 部屋ごとの差 |
| 2010年代 | 性能向上 | 一部に温度ムラ |
親にどう伝えるかで、結果は大きく変わります
「終の棲家」ではなく「今の暮らし」の話から
多くの子世代が悩むのが、
どう親に切り出せばいいかという点です。
いきなり「終の棲家」や「老後」の話をすると、
拒否されることが少なくありません。
大切なのは、
- 冬のお風呂、寒くない?
- 夏の夜、2階は暑くない?
という日常の違和感から話すことです。
費用が不安な方へ|判断の順番を間違えないでください
先に「いくらかかるか」を考えない
断熱リフォームで一番多い不安は、
「結局いくらかかるのか分からない」ことです。
しかし本来は、
- 今の家の状態を知る
- 必要なことを整理する
- 補助制度を確認する
という順番が大切です。
まずは「今の家を知る」ことから始めてください
中古住宅診断(インスペクション)
断熱リフォームの前に、
今の家の状態を把握することが重要です。
【今の家を知る|中古住宅診断はこちら】
構造まる見えスタジオで「体感」する
断熱の違いは、
説明より体感が一番分かります。
断熱の仕組みと違いを体感できる構造まる見えスタジオについて書いています。

住まいの温熱環境は、
見えにくく、慣れてしまいやすいからこそ、
第三者の視点で確認することが大切です。
「大丈夫かどうか」を、
感覚ではなく、住まいの状態から判断する。
それが、事故を防ぐ第一歩になります。
まとめ
✔ 高齢者の事故は、住まいの温熱環境が原因
✔ 冬も夏も、一年を通した対策が必要
✔ 断熱は快適さではなく安全性の問題
✔ 判断の第一歩は、診断と体感
ここまで読んで、
「うちの場合は大丈夫だろうか」
「親の家も、一度ちゃんと見てもらった方がいいのかもしれない」
と感じた方へ。
断熱リフォームをするかどうかを決める前に、
まずは“今の住まいの状態”を一緒に確認するところから始めてみませんか。
この記事を書いた人
ダイワ住研 広報チーム
滋賀県で中古住宅リノベーション・住宅診断を行う工務店。
高齢者が安心して暮らし続けられる住まいづくりをテーマに、
断熱・耐震・住環境改善に関する情報を発信しています。
監修
ダイワ住研 代表取締役 和田隆之
滋賀県で長年、住宅の現場に携わり、
「健やかな暮らしの基盤は家であり、住まいは命を守る器」という考えのもと、
中古住宅診断・断熱改修を数多く手がけてきました。





